2026年4月8日よりPrimeVideoにて配信が開始した、オリジナルドラマ『THE BOYS』の最終章 シーズン5の2話の感想記事になります。ネタバレも含まれますのでご注ください。
ザ・ボーイズ シーズン5
ティーンエイジ・キックス
ヒューイたちの収容所からの脱出に成功した前回から続いた今回のお話。フレンチ―を取り戻したことで、いよいよ、ホームランダーを殺すためのウイルスの製作が進むことになる。
ニューマンの夫により裏で続いていた能力者を殺すウイルスの開発ですが、どうやらブッチャーはニューマンを殺した罪をホームランダーに押し付け協力させている様子。ウイルスに関しては、ヒューイやキミコは反対の立場をとりつつも、ホームランダーを殺す手段は必要という事でウイルスの実験に関する行動を開始する。
ウイルスの実験が必要として、その被検体に選ばれたのは、ティーンエイジ・キックスのメンバー。マグマをナニから発射する能力者、冷えて固まった周囲の溶岩もそれ、能力を大雑把に把握すればかっこいいのに、実情を知るととんでもない能力者が登場となりました。
ホームランダーとソルジャーボーイ
Aトレインを自ら殺しておきながら、どうにも死んでほしくはなかった、という態度を見せるホームランダー。相変わらず独りよがりながらも、おそらく本気でAトレインの事を信頼していた面もあったんだろうな、というのが感じられるのが相変わらずのめんどくささ。とはいえ、言っていることはかなり的外れで、自分が兄のように接していた、そしてお前は兄を知らないだろう、という言葉は、まさに彼の事を知らないが故のもの。
そんなホームランダーですが、Aトレインが死んだ寂しさを埋めるように行ったのは、冷凍されていた父ソルジャーボーイの解凍。当然、ソルジャーボーイには警戒される中、最近、冷凍されていた事を知ったと、よく考えもしない嘘をついて、あっさりと見抜かれていたりと、またしても衝動的な行動だったことが伺えます。
ソルジャー・ボーイの復活、周囲には、危険なウイルスを使用するブッチャーに対する捨てゴマである、という方向でセージにまとめられていましたが、その内情にあったのは今の寂しさを埋めるために父親と会いたかっただけなのは間違いない。
ソルジャー・ボーイのために直した盾を彼に渡した瞬間の微笑ましい顔は、父親に不器用な手作りのプレゼントを渡すようにも見え、そのシーンのソルジャー・ボーイのセリフがなかなかホームランダーの内面を捉えたものだったのが皮肉です。そんなホームランダーの想いを込めた盾は、ブッチャーの車への一撃であっさりと壊れてしまった、というのも、その気持ちは届くことはないという事を示しているようでなかなか残酷でした。
今回のラストでは、ソルジャーボーイがウイルスの被害を受け、死亡。Aトレインに続き、大事な人を失ってしまい悲しみに沈むホームランダー。どれもこれも、彼の身勝手な行動が全て自分に帰ってきているだけなはずなのに、どうにもあの子供のような悲しみ方を見ていると、少し可哀そうにも思えてしまいます。
復活した割に思ったよりもあっさり退場だったソルジャー・ボーイですが、今回のラストその死体袋が突然立ち上がり動き出す。そこにソルジャーボーイの意識はあり、ウイルスを乗り越えた上で復讐へ向かうなんてこともありそうですが、ウイルスのせいでゾンビ化し、能力者ゾンビパニックが始まるなんて可能性もありそうで、果たして次回どう話が転がっていくのか気になるところです。
アシュリー
シーズン4のラストで、Vを体に打ち込み能力者となったアシュリー。周囲からは心を読む能力者として認識されているような描写がありつつも、内なる自分と会話するような意味深な描写が挟み込まれておりいまいちその力がはっきりとしていませんでしたが、今回その能力が後頭部にもう一つの顔が現れ、もう一人の自分とでもいえる存在と会話できるものだという事が明らかになる。
さらにその後頭部のアシュリーは、本体のアシュリーとはまた違った思考をしているようで、まさに彼女の中の善性が語りかけてきているかのよう。アシュリー本体はもうホームランダーに逆らうことなどできない、諦めたほうがいいと思っている中で、後頭部のアシュリーは、今のホームランダーがやっている無茶苦茶なことをどうにか止めたいと考えているようで、彼女の中にある理想の自分への想いが、そこに形になっているようです。
しかし、彼女が得た能力がもう一つの顔だとすると、周囲から彼女の能力だと思われている思考を読む力は、アドリブで合わせているという事になる。シスター・セージも、彼女の能力は心を読む、つまり完全に騙しきれているわけで、そうだとするならすごい立ち回りを見せています。これまでの彼女のVauteでの活動、ホームランダーのパワハラ、やりたい放題の能力者達の行動、様々な苦難にもまれ続けていた彼女だからこその、能力に頼らない力とということなのかもしれません。
アシュリーもまた、現在のホームランダーの行動に強い不満を持っており、Aトレインと同じように、反抗する意思を捨ててはいないというのはなかなか意味深。後頭部の感情こそが彼女が抑えている本心だとするなら最終シーズンで、ここからどのような動きを見せるのかも気になる所となってきそうです。
アニーとヒューイ
スターライターの仲間たちがみんな死んでいく中で生き残っているアニー、前の話でもその兆候は見せていましたが、やはり仲間の死に対する責任が彼女に自分が死んででもことを成し遂げなければいけないという変化を及ぼしていたようです。シーズン5での彼女の言動は、どこかブッチャーと被る所が多かった気がしましたが、そのあたりもブッチャー自身も自らを顧みずホームランダーと能力者を殺そうとしている、という点で重なっているということなのかも。
そんな今のアニーを苦しめる悩み、ヒューイには相談できないと言っていましたが、アニーの想像していた死んでほしくない、という答えではなく、死んだとしても戦う、そのうえで共に生きようという答えは、ある意味アニーが一番欲しかったもののように思える。
シーズン5のヒューイ、ホームランダーやソルジャー・ボーイを対面に捉えていてもひるむことなく自分の想いをぶつけていたりとタフになった印象が強かったのですが、今回のアニーに対する反応も彼女の想像を超えたものだったのではないでしょうか。
ブッチャーはある意味暴走しつつある状況の中、厳しい現実に対面してなお未だ甘っちょろい事を言ってのけるヒューイ。前の話でホームランダーが語っていた通り、彼に何か特別な力があるわけではなく、いつも周りに助けられてばかり。それでも、彼の事を助けようとしてくれる人が集まる、というのは最終シーズンにおけるキーパーソンがヒューイになることを暗に示している、なんてこともあるのかもしれません。
今回のお話、ヒューイの言葉に自らを犠牲にホームランダーを倒そうとしていたアニーの心が動いたり、MMが娘と被った一人のヒーローを逃がしてたり、キミコもウイルスには反対だったり、どうにも皆ブッチャーが進もうとする先とは違う方向を見始めているようにも思える展開が多くあり。最終章もまだ始まったばかりですが、ここから最後の戦いに向け、ヒューイが話の鍵になってくるのではないかと思わせるものでした。
The Boys Season5
The BOYS はPrimeVideoにて配信中。


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