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笑わないでよしじまさん 感想 ヒロアカ堀越耕平新作読み切り

笑わないでよしじまさん感想 感想
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2026年8月10日に配信、週刊少年ジャンプ2026年37・38合併号に掲載された『僕のヒーローアカデミア』の堀越洋平による新作読み切り『笑わないでよしじまさん』の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。

笑わないでよしじまさん

ホラーでありながら少年漫画

場当たり的に過ごしてきた結果進路を悩む少年安曇を主人公とした本作、ひたすらに明るく笑顔を見せている黙さんの存在が非常に魅力的に描かれているというのが冒頭の印象。

しかし、そんな彼女の後ろを、何やら幽霊のような存在が追いかけるあたりから空気が変わる。そこから続く展開でがかれたのは、街に隠された秘密と、後ろ暗さがあふれたもの。なまじ明るく爽やかなキャラクターが描かれているからこそ、その陰に浮かび上がる怪物の存在が余計に不気味に思えてくるのは、やはり作者の絵のうまさがあってこそより際立っているように思えました。

だんだんと街の秘密が明らかになっていくにつれ、段々と変わってくる作風。流れはもはや現代版因習村とでもいうべきものとなり、大人たちの事情に巻き込まれた子供たち、少しでもそれに抗おうという流れに変わっていく。

ここまでなら、単なるホラー漫画だったのですが、そこからの安曇の行動が少しずつ話を変えていく。黙が生贄にされそうになる中、それに一人抗う安曇のまっすぐさ、それは黙を犠牲に幸せを維持しようとする停滞した街の雰囲気をぶち壊そうとするもので、実にまぶしく見えてくる。

更に本作がただのホラー漫画ではなくその根っこに少年漫画あると感じさせたのは、元々悪霊だと思われていた怪異たちも、力添えしてくれたという点。黙を襲っているように見えたのは、本当はこの因習を終わらせるために動いていたことが明らかとなり、最後はそれを打破しようとする安曇に力を貸してくれる。

そして、何より最後の決め手に、安曇と黙と二人の出会いの思い出が、彼女の気持ちを変え最後の力添えになってくれる、『笑わないでよしじまさん』というタイトルがそこで回収されるのも作品の肝であるという部分が感じられてとても良い。

終盤の勢いは実に少年漫画らしい前向きさにあふれており、黙さんとの思い出、かつていけにえにされたババア達と積み上げてきた要素が、どんよりとしたそれまでの雰囲気を一気にぶち壊す流れが非常に気持ち良い作品でした。

そのまま二人が揃ってハッピーエンド、となってもよかった本作ですが、最後の最後、思わぬ方向に進み世界が大きく広がったのも面白いところ。読み切り作品でありながら、何やら新連載の1話なのではないかと思わせるまでの勢いが持って終わった本作、続きが呼んでみたいと思える読み切りマンガでした。

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又三郎

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